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ECUのトレンド

パソコンと同じく、ECU*1もどんどん進歩しています。しかし高機能であればあるほど使いづらいのは否めません。

PCは64ビット、ECUは32ビットへ

ここ数年、パーソナルコンピューターを始め電子情報機器の進歩は目覚しいものがあります。一昔前のパソコンの性能に匹敵するようなものをポケットに入れて持ち歩ける日が来ると予想できていた人は果たしてどれほど居るでしょうか。
その流れは、自動車も例外ではありません。他のコンピューターと比べ制御する装置が限られてきているので目を見張るような技術はあまり使われてはいませんが、確実に進歩しています。

その内容は耐久性をはじめ多岐に渡りますが、もっとも顕著なのはビット数*の向上です。
それに伴い、ECUは多くの装置を制御するようになりました。点火装置に始まり、パワーステアリングやスロットルなど、ここでは挙げ切れないほどです。
そして制御する項目が増えただけでなく、それら全てを連動させて車体の姿勢制御まで行うというのですから制御はさらに複雑になってきます。

ECUのブラックボックス化へ

1980年代まではECUといったら8ビットのコンピューターでした。それが90年代になると16ビット、2000年以降に32ビットのECUが普及しました。
アフターパーツとして社外ECUが出てきた頃は純正ECUは16ビットが最新であり、アフターパーツメーカーも16ビットコンピューターを製造していました。そのため90年代までは、社外ECUというと純正同等かそれ以上のコンピューターを意味しました。だからこそパワーFCのように完全な置き換え型のECUも存在し得たのです。

それが32ビットとなりECUの表現力が向上すると話は変わってきます。
32ビットとなるとそれまでのECUで当たり前だったマップ*5制御は刷新され、大幅な機能の向上を達成しました。

一方、アフターパーツメーカーの規模や生産・開発能力では、現在でも16ビットのECUが限界です。複雑化した32ビットECUを解析してアフターパーツとしていちから設計しなおすのは手間も費用も掛かるので非現実的です。
いまや社外ECUより純正ECUの方が高性能で緻密な制御を行うようになっています。 それ以来、置き換え式のコンピューターは姿を見せなくなりました。社外ECUは、目的であるエンジンの制御以外は純正ECUに任せて共存の道を歩んでいます。

純正ECU書き換えの復興

今日のECUは32ビット化以外に変化が見られます。ROMがフラッシュメモリーになったのです。これによりROMの書き換えが容易になりました。ただし、書き換える機材の入手が難しいため一般に手を出しづらくはなっています。

しかしECUの制御が大きく変化したことによって、純正と社外のECUの相性が悪くなってくると、書き換え用の機材を手に入れることのできるショップの方たちは純正のECUを書き換えてしまおうとなるのは自然な流れです。かつて社外ECUが販売されていなかった頃にも行われていた手法ですが、ここに来て再燃しています。
ただしECUの書き換えには多くの経験と知識が必要であるため、車種が限定されてしまいます。

今後のECUのチューニングは

ECUのチューニングは岐路に立たされているといえます。
純正のECUは確かに高性能なのですが、今日の自動車はとにかくエコです。高性能なECUだからモータースポーツに向いているわけではありません。むしろ、エコブームにより以前より不向きである可能性すらあります。

しかし先述したように、ECUに手を入れるのは年々難しくなっています。ましてや横滑り防止装置を純正で義務付けられる法律の検討がされている昨今、ECUに手を入れるのは必須にすらなりそうです。
これは是非アフターパーツメーカーに、画期的なECUのチューニング方法を開発して欲しいものです。
トヨタも組織を再編してまでスポーツ車両開発に力を入れるならば、その後のこともしっかりと考えて欲しいものです。
余談ですが、三菱はそのあたりが大変素晴らしい。日産はゴーンになって突然ヘタクソに。