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アフターパーツ業界の今

どうしても風当たりが強いモータースポーツに追い討ちをかけるようなエコブーム。アフターパーツ業界は大丈夫なのでしょうか。(2010/09/01)

経営者がいない業界

筆者は過去にアフターパーツメーカーの方々とお付き合いがあったことがあります。知人が自動車販売の会社を立てるときにお手伝いしたのですが、そのときにアフターパーツも扱おうということになっていろいろな営業マンとお話させていただきました。

そのなかで出てきたのは「アフターパーツって高いですよね」という話です。どの業界でもそうですが、様々な業界を渡り歩いてきたビジネスパーソン的な営業マンが紛れ込んでいます。彼らはその業界の外側の人間なので、いい目を持っている場合もしばしばあります。 彼らのような営業マンとアフターパーツ業界の話などをすると、アフターパーツ業界の「膿」が見えてきます。

アフターパーツメーカーの経営

まず、アフターパーツの会社というのはチューニングショップのおっちゃんが建てたような会社が多く、経営手腕が壊滅的であることが多いそうです。その結果、効率的な生産も革新的なコスト削減も行われず、「俺の作るものはこれぐらい払ってもらわないと」なんていう勘に頼った価格設定と相まって高額なだけの商品が次々と発売されているのが実情のようです。

また、市場調査もろくに出来ないために作りたいものを作ってしまうことがほとんどです。クルマのパーツなら俺が作れば一番いいものができると思い込んでいるのでしょう。

こうして多くのアフターパーツメーカーでは、戦略も戦術もない経営方針の下に、非効率的な生産体制と開発体制を強要されてしまいます。

価格への跳ね返り

こうした経営体制が敷かれていることに加えて、もともとすき間産業であることもあって、製品の価格は上がる一方です。ましてや、もともとが安いものではないので、消費者の手に渡ることにはびっくりする値段になってしまいます。

自動車そのものだって安いものではないのにそれ以上にお金が掛かってしまっては、どんなに好きでも趣味に出来ない人が大勢います。もともと競技人口が少ないのですから、そのような人を切り捨てる余裕などアフターパーツ業界にはないはずです。

経営努力を行うべき

優れた企業は、責任転嫁は絶対にしません。市場は小さいから、原価が高いから、などと言い訳せずにそれをどうやったら克服できるかを常に考えています。

アフターパーツ業界はまず競技人口を増やす努力をするべきしょう。そのためには安価なパーツの存在が欠かせません。製品の信頼性さえ高ければ性能は程ほどでいいはずです。誰もがレースカーのようなクルマを作るわけではありませんし、初めての人は掛かるコストが安ければ今よりも遥かにチューニングを始めやすいはずです。

消費者も黙っていてはダメ

エントリーモデルとしては充分な性能を有し、安価なパーツが市場に多く出れば、競技人口が増えるきっかけとなるはずです。競技人口が増えればパーツの生産量も増えコストが下がり、サーキットだって単価を下げる余裕が出てくるかもしれません。

しかし、それを我々消費者がただ待っているだけでは保守的なアフターパーツ業界の経営者たちは動くことはないでしょう。消費者が「高価で高機能なパーツばかり作らず、安価なモデルをだせ」という要求を声高に叫ばなければなりません。

クルマで言うと、ヴィッツやフィットのような商品が、アフターパーツ業界にも必要とされています。

個人的には、過激ではありますが倒産してしまえばいいと思います。民事再生法や会社更生法によって経営体制が変わればまともになるような気がします。ただ、そのまま破産してしまっては困りますが。