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ギアオイル オメガ690 75W-90

自動車に於いて、オイルは非常に重要な要素ですが基本は性能の維持が目的です。しかし時に、性能を向上せしめるオイルも稀に存在します。噂のオメガオイルがまさにそれでした。

いれた直後のシフトフィール

まずいれた直後のシフトフィールですが、数あるオイルの中でもかなり分かりやすいと思います。筆者のクルマでは、もともとそんなにスムーズに入るようなミッションではありませんでしたが、交換直後からスコンと入るようになりました。軽くはありませんが、引っ掛かりがなくなりました。

また高温に対応している分、冷間は感触が悪いとのレビューが多く、冷間での感触を改善したFF-SPという種類もあります。今回は店に無かったので通常の75W-90を入れましたが、冷間もまったく問題ありません。通常の走行である程度の温度になったであろう状態でも変わらず良好です。

高温時の挙動

良くある悩みは、サーキットなどを走行してギアオイルの温度が上がった途端にシフトに不具合が出る事です。ガリ、とかギャン、などとギア鳴りをします。オメガはそれがかなり抑えられています。全開走行で15分しかもたなかったのが、きっちり30分持ちます。さすがに1時間程度連続で走っていると入りずらくなるかもしれませんが、試していないのでなんともいえません。

LSDの効きとチャタリング

FR以外の車はギアオイルとデフオイルが共用である事がほとんどです。そしてデフがLSDである場合はオイルによって挙動が代わってしまうことも少なくありません。

筆者はクスコのLSDを使用しており、以前は同じくクスコのギアオイルを使用していました。シフトフィールは正直なところ悪い部類ですが、LSDに関してはチャタリング(*2)も一切でず、効きも緩やかなので悪くありません。

オメガもチャタリングは出ませんが、効きは少し鋭くなりました。しかしこれは人の好みで収まる範囲ですし、レッドライン(*3)のギアオイルほどではありません。

ただし高い。とても高い。

前評判どおり総じて不満は無く、非常に良いギアオイルだと思います。しかし高い。1リットルで6000円します。通常の2〜3倍です。

まだ入れて間もないため耐久性は未知数ですが、これで通常の2倍程度もつならば高くは無いでしょう。ただし、ミッションを乗せ変えたかのような劇的な変化というわけではありません。あ、確実に良くなったな。という程度です。

変速に不具合があると本当につまらないですし、タイムもまったく振るいません。それを考えると劇的な変化こそ期待できないにしろ入れる価値は充分あります。お勧めできるオイルです。

Key Words

*1 トランスアクスル
トランスミッションとディファレンシャルが一体となった機構で、FR以外の車はほとんどが該当する。トランスミッションからアクスル(車軸)が出ているという意味の合成語。
*2 チャタリング
多板クラッチ式のLSDの作動音。バキバキ、ゴゴゴゴ、など。以上ではないがあまり気持ちの良い音ではない。
*3 レッドライン
LSDの効きが非常に鋭くなることで有名なオイル。その分チャタリングも酷く、説明にも割り切ってくださいとの表記があるほど。また、いわゆる「美味しい時期」も短いとされる。