今回のレビュー対象であるテインのHAについて簡単に特徴をまとめました。
・ネジ式
・バネレートはF:7kg R:9kg
・複筒式
・純正アッパーマウント流用
これぐらいです、ネジ式で複筒式という安価なモデルであることが分かります。通常このようなモデルはストリート向けといって、程々の硬さでどんな用途なのか良く分からない中途半端なバネレートを採用することが多いのですが、このモデルはそれよりも少し固いバネレートを採用しています。といっても、サーキットにおいて本気でタイムを狙うようなバネレートでもありません。半端な車高調の中でも少しモータースポーツよりといったところでしょうか。
この製品より高性能なものはいくらでもあります。しかし安価なものでも必要な性能を満たしていればそれでいいはずです。
このHAというモデルは一般的な直巻と呼ばれるバネを使っているので、好みのバネに変更できます。また減衰もしっかり出ており、16段階で調整も可能です。ダンパーの減衰力はその特性も重要とされますが、私は気にしなくて良いと思います。
事実オーリンズと乗り比べました。確かに違いはありますが、価格ほどの価値があるかはかなり疑問です。
しかし車高はしっかりと調整できる全長調整式であれば良かったと思います。写真のネジ式は、車高を調整すると同時にバネを圧縮しなければいけないので調整幅に限界があります。
実際は一度車高が決まってしまうと頻繁に弄ることがなくなりますが、プリロードを気にせず(バネを圧縮することなく)好きな車高に合わせられる全長調整式は大きな武器です。
私の車両はサスペンション構造の問題で全長調整式にするのが困難なので、サスペンションそのものの長さを変えることによって対応しました。
ロッド加工やアッパーマウントを薄いものへ変更するなどしています。
乗り心地は、さすがサーキット走行を意識したものと言えます。決して良くはありません。乗り心地と走行性能のバランスをどう割り切るかは大きな問題です。
しかし私は既に慣れてしまいました。今の固さの方が伝わってくる感覚もダイレクトで運転しやすいと思います。しかし不思議なのは、TRDの純正形状と比べ乗り心地が良いと感じる点です。理由は分かりませんが「硬い=乗り心地が悪い」というわけではないようです。
折角の車高調ですから、車高の調整が気兼ねなく出来る全長調整式がおすすめです。車高調なら基本的にバネは自由に変更できますし、減衰調整も付いていないモデルのほうが珍しくなってきました。
単筒式か複筒式かははっきり言って気にするほどの問題ではありません。差額でサーキットで走るか、美味しい物を食べてください!